【動画】オストメイト目線で粉状皮膚保護剤を使用する
粉状皮膚保護剤とは?
粉状皮膚保護剤はストーマパウダーと呼ばれることもあります。
粉状皮膚保護剤は水分を吸収するとゲル化します(ドロッとゼリー状になること)。
商品の形状はボトル容器になっており、いろんなメーカーのものがあります。
どんな時に使用する?
使用目的の多くは、ストーマと面板の孔の間に使用し、排泄物が直接肌に触れるのを防ぐ時、
皮膚がただれた場合に、皮膚を保護しながらストーマ装具の粘着を助けるために使用します。
たくさんつけ過ぎた場合は、払い落として使用します。
こんな使い方は大丈夫?
ストーマの粘膜に付着しても大丈夫です。例えばストーマに出血が見られる時に使用することがあります。
その他にも、おむつかぶれがあり皮膚が糜爛(びらん)している場合、滲出液で軟膏が上手くぬれない時などにも使用します。
今回は、オストメイトがご自身で使用する場合の、使用方法をご紹介します。
- ストーマ周囲の皮膚がただれて糜爛(びらん)している時
皮膚がただれている場合に使用します。ただれている箇所から滲出液が出てくるので、面板が皮膚に張り付きにくくなります。
そのような場合、面板を大きく切り抜くのではなく、しっかりと面板を貼ることでただれを早く治すことができます。
滲出液を、ストーマパウダーが吸収してくれるので面板の貼りつきを助けてもらうのです。
使用時の注意点
ただれが、ご自身の目で見えるところ(ストーマの上半分の周囲の皮膚)にある場合は、ストーマパウダーのボトル容器から直接振りかけることが出来ます。
ただれが、ご自身で見えないところ(ストーマの下側部分のストーマ近接部など)は、ストーマパウダーを付けにくいので、ティシュや柔らかいペーパーなどに一度出してから、ストーマパウダーが付いているティシュやペーパーを押し当てるように、ただれ部分に付けるといいでしょう。
ストーマパウダーは、たくさん付け過ぎると面板の貼りつきを悪くするので、必要最低限になるよう、多く付け過ぎたと思ったら手やティシュなどではたいて落として使用します。
- 皮膚トラブルにならないよう、予防的に使用する時
ストーマと皮膚のさかい(ストーマと面板の孔の間の少し肌が見えるところ)は、粘液や排泄物が出てくるので肌あれしやすい箇所となります。
そのさかいめにストーマパウダーを使用することで、しばらくの間は皮膚を保護してくれますが、パウダーのゲル化が進むと流れ落ちます。
<ワンピースタイプ(単品系)装具の場合>
ストーマの上側のストーマ粘膜と皮膚の接合部は、ボトルから直接にかけることが出来ます。
ストーマの下側のストーマ基部は、ティシュや柔らかいペーパーなどに一度出してから、ストーマパウダーが付いているティシュやペーパーを押し当てるように使用します。
<ツーピースタイプ(二品系)装具の場合>
面板を貼ってから、ストーマと面板の孔の間、ストーマ粘膜と皮膚の接合部全周にストーマパウダーを振りかけます。
ツーピースの場合は、ストーマパウダーがゲル化して流れ落ちても、ストーマ袋を外せば何度でも行うことができます。
この記事のまとめ
粉状皮膚保護剤はストーマパウダーとも呼ばれています。
皮膚がただれて糜爛(びらん)した時や、ストーマ近接部の面板の孔とストーマの隙間(ストーマ粘膜皮膚接合部)に使用することで皮膚を保護してくれます。
オストメイトがご自身で使用する場合、目で見える範囲や隙間には直接振りかけられますが、ストーマの下側などはストーマパウダーをティシュやキッチンペーパーに少量出して、それを押し当てるように使用します。
たくさん付け過ぎた場合は払い落として使用します。
ストーマパウダーは、必ず使用するものではありません。
自身で使用する場合、面倒も生じますが、必要に応じ使用することで、ストーマやストーマ周囲の皮膚を守ってくれます。