【動画 期間限定2026年11月15日迄】排便障がい オンラインセミナー アーカイブ2026.9.15
患者・医療者・企業がつながり支える直腸がん術後の生活
~手術のあとも安心して暮らせるように~
講師:榎本 浩也 先生
一般社団法人コロレクペディア 代表理事
国際医療福祉大学那須医療センター 病院准教授 消化器外科 外科副部長
手術を学ぶ中で見えてきた、術後の生活の大切さ
① 手術を学ぶ
国立がんセンター東病院で直腸癌の手術を学ぶ がんを取り残さない、手術前後の治療、合併症を減らす工夫を考えていた。そのことを勉強していた。手術の技術が上がれば患者さんを良くできると考えていた。
② 気づいたこと
手術が成功しても、技術だけでは解決できないことがある。機能の変化は残ってしまう。( 「がんを治すこと」と「元の生活に戻ること」は別に考える必要がある
③ 今の取り組み
手術だけでなく、その後の生活まで支えたい どんなことで困っているのか、何ができなくなっているのか、患者さんの生活を知りどうすればその人らしい生活が取り戻せるのか 一緒に対処法を考える
技術で治す。その後の「暮らし」まで支えていきたい。そのためには患者さんや医師だけでない様々な医療者、いろいろな立場の人たちと生活を支えていきたい。それを考えて立ち上げたのが一般社団法人コロレクペディアという団体を設立。
どのような活動をしているのかを含めて直腸癌の手術後の生活をどう支えていくのかということをお話ししていきたい。
直腸癌の外科的課題
根治性の手術ではがんをしっかり取りきらなくてはならない。次にできるだけ機能を残さなくてはならない。直腸は膀胱・精嚢、前立腺、子宮、膣、神経近い。排便機能だけでなく、排尿や性機能などにも関連してくる。そしてもう一つが合併症を減らすこと。特に縫合不全は直腸癌手術における重大な合併症です。外科医は主に根治性、機能温存、合併症この3つを考えながら手術をしています。
今日お話しすることはこの機能温存について、特に排便障害についてであります。
直腸切除術によって生じる変化は大きく3つあります。
まず1つ目が直腸機能の低下です。
直腸は単なる便の通り道ではありません。便を一時的に貯めておく貯蔵庫のような役割があります。ところが直腸がんの手術ではこの直腸の一部あるいは大部分を切除することになります。すると便を貯められる部分が少なくなり、少し便が来ただけでもトイレに行きたいと感じるようになります。
2つ目が肛門機能の低下です。
肛門に近いところで手術をすると肛門を締める筋肉そのものやその周囲の操作によって肛門の働きに影響が出ることがあります。すると便を我慢しにくくなったり便を出しにくくなったりすることがあります。
3つ目に腸蠕動運動の変化です。
手術では腸を切って残った腸と腸をつなげ直します。その影響で手術前のように便がスムーズに運ばれなくなることがあります。その結果突然強い便意が来たり排便のタイミングが予測しにくくなったりします。
つまり直腸癌の手術後の排便障害は1つの原因だけで起きるわけではない。
貯める、我慢する、運ぶ。この3つの働きがそれぞれ変化することでいろいろな排便症状が起こります。そして大切なのはこれは単純に手術が上手だったのか下手だったのかという話ではないということになります。体の変化としてはまずは何度もトイレに行く、急に便意が来る、夜中にも排便がある、あるいは漏れてしまうのではないかという不安がある。こうした症状そのものも辛いのですが、患者さんのお話しを聞いているともっとつらいことがあります。
それは予定がたてにくくなるということになります。電車に乗って大丈夫だろうか、食事をしたらトイレに行きたくならないだろうか、会議中に便意がきたらどうしよう。そうすると外出を控えるようになってしまいます。食べることが怖くなってきます。仕事に戻れなくなるといった状況になります。そして排便の話は人に相談しにくいため一人で抱えてしまうということもあります。術後の排便障害は単に一日何回便が出るかという問題ではなくてその人の暮らし全体の問題として考える必要があるわけです。
一番伝えたいことの一つとしてがんが切除できて、再発がない。これは患者さんにとっても医療者にとっても本当に大切なことだと思います。ただそれと元の生活に戻れたということは同じではありません。退院してから排便の問題がはじまることがあります。外出、仕事、旅行、食事、睡眠。病院では順調といわれているのに自分の生活は以前と異なってきます。
私たち医療者が終わりましたで、終わるのではなく治療後の暮らしまで一緒に考える必要があると思っています。これは直腸がんの排便障害の治療のアルゴリズムになりますがまず、大切なのは治療から手術後にはこういう変化が起きる可能性がありますと説明しておくことです。手術後には実際の排便状況を見ながら食事や生活の工夫、薬の調整などを行います。重症の方は経肛門的洗腸療法というのはまだ日本では残念ながら保険適応になっておりませんが、仙骨神経刺激療法とかストーマ造設という段階的に選択肢を考えていかなくてはなりません。
ここで大切なのは全員が同じ治療をすればいいということではないということです。患者さんによって症状も違いますし困っていることもちがいます。10回排便が出てもそれほど困っていない方もいらっしゃいますし、一方で回数は少なくてもいつ便意が来るかわからないということで非常につらい方もいらっしゃいます。ですからその人が何に困っているのかということを知った上で治療をおこなっていくということが大切になってきます。
ただ、ここには大きな問題がありまして理想と現実にはギャップがあります。理想は時間をかけて説明して症状と生活を丁寧に把握して必要な検査や治療を多職種で提供するということが理想的です。しかし現実には外来の時間は限られていて、専門的な検査や治療を把握できる施設が少なくて、連携できるチームも十分整備されていなくて不十分であるということが多いです。だからこそ特定の病院や専門家だけに頼らずにこのギャップを埋める支援の仕組み作りが必要になってくると思います。実際、術後生活の困りごとは幅広くて、食事はだれに聞けば良いのか、旅行はできるのか、温泉は入れるのか、薬の使い方はどうしたらよいのか、装具のことはどうしたらよいのか、骨盤底筋群トレーニングはどうすればよいのかという風にいろんな疑問があります。
私は全部を医療者だけで対処するものかつて思い込んでいましたが現実的にそれができるのかということを考えると、なかなか難しいところがあると思います。医療者以外に患者会、医療者メンバー以外にアピアサポートというものがあったり、販売店が支えてくれたり、企業・ホームページ、SNS,オストミー協会とか、いろいろと支えてくれる人は実はいるわけです。これをどう繋いでいくかということが問題になっているわけです。私が思っている今の課題はこの支援そのものがないわけじゃないのに、繋がっていないということです。病院によって受けられる説明が違ったり、患者さんによって得られる情報が違ったり、困りごとがあるのに誰に聞けば良いのかわからない。ですから必要なのは新しい支援をどんどん増やすということだけではなく、すでにある支援や情報に患者さんがたどりつける道を作るということも非常に大切だと思っています。
ここから視点を変えまして、医療者が一方的に情報を作って患者さんに渡すだけでなく、患者さんと一緒につくる、そしてつくったものを必要な人へきちんと届ける。その二つが重要なのではないかと考え取り組みをおこなっております。
最近はですね、医療の世界だけではないのですけど、医療の世界でも患者市民参加PPIという考え方が非常に重視されるようになっています。簡単にいうと医療者だけで患者さんにはこれが必要だろう考え想像してやるのではなく、患者さん自身に参加してもらうという考え方です。患者さんを単に支援を受ける側としてみるのではなくて、一緒により良い医療を作るパートナーとして考えるというのがPPIという考え方です。
コロレクペディアとは?
私が作ったコロペクティアでは、メンバーとしては外科医・看護師・理学療法士・栄養師・薬剤師・そして患者メンバー、このような形で一緒に支援をつくっているという風にやっています。LARSやストーマの困り事は診察室だけでは完結しません。医療者は医学的な知識やケアの方法を持ち患者さんは実際の生活で何に困り、どのような工夫が役に立つかを知っています。それぞれの専門性と経験を持ち寄り、医学的に正しいことだけではなく患者さんが生活の中で使える情報へと変えていく。それは患者さんが主体的に参加する新しい形だと考えています。
こちらに出ています患者メンバーは意見を言うだけではなくて、佐々木香織さんは動画作成のプロですし、望月ミサさんはイラストレーターです。しみずみゆきさんはホームページを作成していただきました。こういう技術は医療者はもっていませんので非常に助かって活動しています。
ピアサポートについて
次にピアサポートについてお話しさせていただきたいのですが、ささきかおりさんこの方はコロペクティアの理事、ぴあリングブルーという団体の代表も務めております。僕も実はちょっとここに入ってますが、ピアリングブルーの集まりの写真になります。ピアサポートというのは同じ治療を経験した患者さんだからこそ話せることや受け止められることがあるという考え方で、排便の悩みや外出へ不安など医療者には言いにくいことも同じ経験をした仲間には話せる場合があります。
また、自分だけではなかったんだなということをわかるだけでも大きな安心つながるわけですね。患者会やSNSの患者コミュニティ、顔の見える交流の場などでつながることで悩みを一人で抱えず必要な情報や支援につながることができます。そして大切なことは患者さんの経験が次の患者さんの支える力になるということが僕は大事なことだと思います。患者さんと一緒に作ることっていうのは何が良いのでしょうか。と考えると患者さんから教えてもらうということは本当に関わる場面がどういうものなのかなとかあと、特にコロレクペディアで困っているのはこの情報を発信していくのに、医療者にはわかりやすいのだけど患者さんたちにはわかりにくい言葉というのがあったりします。こういうことばとか実際に役立った工夫だとかです。こういうことを医療者はなかなか気づかないことがあります。こういうのを教えていただいて医療者は医学的に正しいのか、それが安全に使うのかを確認してどちらか一方だけでは足りませんので患者さんの経験と医療者の専門性、この両方がそろって初めて正しい情報というのから伝わる支援というのになると考えています。
医療者が情報を作って患者さんがそれを受け取るという形が一般的でしたが、これからは患者さんと医療者が一緒に作っていく。私はこれが非常に大切なことだと思っています。
今行っている研究
ちょっとここで研究のお話しをしたいのですが、この患者さんの経験をより多くの人に役立つ形で伝える方法というのがアンケート研究になりますね。患者さんお声を聴いてアンケートなどで見える形にしてそれをアンケートなどで見える形にして、それを医療や社会に伝える。そしてそこでわかったことを次の支援として患者さんに戻していく。研究はむずかしい論文を書くのがメインだというふうに思う方もいらっしゃるんですけれども、そういうことだけではなくて患者さんの声を支援に変えるための道具であると思ってますので、わかりやすくてこういうアンケートを伝えるのも大事だと思っています。
研究で、最近やったおもしろいものがあるんですけれども、コロレクペディアで様々な研究をやっているんですけれども、これは佐藤正美先生と、別メンバーで行ったアンケート研究結果です。研究内容としては、直腸がんの手術を受けた、肛門温存手術を受けた患者さん345人の方にアンケート調査しています。どのようなことが術後の不安と関連しているのかというのをみた調査になります。
身体的なところでいうと排便障害がひどいとか肛門痛がるということが関連してくるのですが、今回は背景でどういう背景があるのか、どういう考え方をもっているのか、どういう工夫をしているのか、調査内容にアンケート調査内容に入れています。そうすると不安と関連していた面白い二つは、この一緒に暮らす人がいるとか自分で排便障害どう対処すればよいのかよくわかっていますよと回答している人がどうも不安が弱い。そういう傾向にあるということがわかりました。なかなか面白い感じ方で、一緒に暮らす人がいるだけでも、要は話し相手がいるだけでもだいぶ変わってくるんです。もっと面白いのが、術後から時間が経過していると普通は排便症状っていうのは慣れてきたり、落ち着いてくることがあるので不安はだんだん解消されていくのかと思ったんですけど、術後から時間が結構経っている方が不安が強いことと関連していました。これはなかなか面白い結果でこういうアンケート調査、原因と結果を証明した研究ではないのでこれを鵜呑みにするわけではないんですけど、ただ言えることは時間が経った患者さんにも支援が必要だということが得られたことが重要なんじゃないかと思っています。次は抑うつとの関連していた3つのことが見えてきます。
1つはインターネット活用をして排便の情報を得ているとか、セルフケア能力が高いとか、仕事を続けて社会との繋がりがある。こういうのが、抑うつと関連しています。こういうのをやっていると抑うつになりにくいということです。気持ちが落ち着いている人が多いとうことがあります。そらそうかなということもありますけれども、改めてこの結果を見てみると患者さんの生活を支えるためにやっていかなくてはならないことは薬とか治療だけではなくて信頼できる情報にアクセスできることとか、セルフケア能力を高めることですとか、社会との繋がりを失わないようにサポートするということが大切なんじゃないかということがよくわかりました。まとめますと排便症状、トイレの回数が多くてお尻が痛くて辛いよっていうことだけじゃなく、こういう生活への支援、セルフケア能力、情報支援人とのつながり職場復帰、こういう先ほどの術後経過が長い方に対してもサポートしていくということが大切なんだなと考えられます。
ここまでは一緒に作るという話をしてきました。でも良い情報をつくるということだけでは不十分で、今度はそれをどうやって必要な人に届けるのかという問題を考えていきたいと思います。
そこで私たちのコロレクペディアが行っている取り組みを少し具体的に紹介したいと思います。われわれがやっている取り組みがまとめると4つになるのですけれども「直腸癌大事典」これはYou Tubeの発信、ウェブサイト、ホームページでの発信、まだできていないのですけれども排便日誌をオリジナルで作っています。本の作成、LINEは2週間前から始めたばっかりです。LINEはすごいなと思ってますけれど、こういうものの活用、いろいろな方法、媒体を使ってひとそれぞれ、アクセスが違いうので必要な人が使いやすい入り口を選べるようにすることが大事なんじゃないかと思ってやっております。
直腸癌大辞典(YouTube)
直腸癌大事典、これはYou Tubeを用いた動画コンテンツとなります。大きな特徴は単に医療者が正しいことを説明する動画ではないということです。患者メンバーにも、制作に入っていいただいてこの言葉が難しいとか、ここをもっと知りたい。実際にはこういうことで困っているんだよねとかそういう意見をいただきながら作っています。医学的にも正しいことはもちろん大切ですがそれと同じくらい患者さんにとってわかりやすいこととか、必要な時に見られること、繰り返し確認できるということ、そういうことを大切にしています。診察室では皆さん緊張していますので一度説明されても全部覚えるのは難しかったりします。家に帰ってもう一度確認したいなとかそういうときに見られる情報を目指しています。これは医療者の説明補助や勉強にも使えるようになっています。医学生とか病棟の外来看護師に調査してこういうのは使えるかな、利用者の勉強に使えるかなとアンケートで調査してなかなか面白い結果が(ここでは紹介できませんが)得られることがあったりします。この動画コンテンツは、現在21本の動画を公開しています。作ったものは「直腸とは」とか「直腸癌術後排便障害とは直腸が手術について骨盤底筋トレーニング、肛門スキンケア、人工肛門、排便、食事、薬剤こういったものをこのコンテンツで作っています。まだ作る予定は続いていまして今後もこのコンテンツは増やしていこうと考えています。大事なのは最初から全部見る必要はないということで、患者さんが困ったときにそのテーマを観る、知りたいテーマを必要な時に使える大事典というコンセプトでやっています。診察室では聞き取れなかったことや生活の中で繰り返し学べる形にしていますので今後も作成予定の動画はまだまだあって随時配信していきますのでよろしければチャンネル登録していただけると助かります。
WEBサイト
ウェブサイトはこれらの情報につながる入り口としてウェブサイトというものがあって、患者さんが困ったとき毎回0からインターネットで検索すると正しい情報もそうでない情報もたくさん出てきますから、できるだけ1つの入り口から信頼できる動画や資料を支援先につなげるようにしたいなと思って作っています。まだまだ我々の活動も2年弱ですのでまだ十分整備されておりませんがこういうホームページを作っています。ネットですから住んでいる場所関係なく、専門病院の近くに住んでいなくても必要な時に同じ情報にアクセスすることができますので、これも病院による情報の差を少しでも小さくする方法の1つだという風に考えてます。
こちらは直腸癌術後の排便障害専用です。
排便日誌
排便症状は日によって違います。あとは直腸癌術後の排便障害ですとちょこちょこうんちが出たり、短時間の間にたくさん出たりとか、あと漏らしてしまうことがあったりというのを、普通の便秘とか下痢の排便日誌だと対応できなくて、オリジナルの日誌を秋月先生に作っていただいています。患者さん自身もなぜ今日は悪かったんだろうとか、わからないこととかあるわけです。記録してみると何時に便が出たのか、どんな便が出たのか薬をどう使ったのかだんだん記録することによって自分の排便の癖が少しずつ見えてきます。そして診察するときにも最近どうですかって聞かれたときにこの排便日誌を見せれば、患者さんと医療者が同じ記録を見ながら相談できますので非常に便利かなと思って私の外来でも活用しています。これはホームページから無料でダウンロードできますのでもし使いたい方がいらっしゃれば無料で提供することができます。おもしろいのがこれを本にしてしまおうということで、患者メンバーの望月みささんのイラストレーターのみささんの提案で、AmazonのKindle本で出版会社を通さなくてもPDFを作って本の形のPDFを作ってAmazonの方に提供すると注文が入ったときに印刷してAmazonで届けてくれるというものがあります。排便日誌を本にしてしまおうということで半年分くらいパラパラめくって書き込めるような本を作ってそこに面白さがないといけないのでパラパラ漫画をつけてですね、ページをめくると僕とか秋月先生が踊ったりするようなパラパラ漫画をつけたり、あと1ページに一言我々からのメッセージをつける。そういうものを作ろうということであと1~2か月くらいあると完成すると思うのですがこのあと一言つければ完成段階に入っております。表紙も人によって何種類か選べるというものになっています。治療だけのためだけの道具ではなくて毎日の生活によるものにしたいというそういう思いがあります。
LINE
LINEは2週間くらい前から始めたんですけれども、コロレクペディア公式LINEです。これには大きな目標があって大腸がんのフォローは病院で5年間経ったら外来フォロー終了となってしまうわけですけども、病院フォローが終了した後でも、LINEの登録していただければどんどん情報が飛んでくるということで必要な情報がつながる。病院のフォローが終わっても情報との繋がりを切らさないということができます。患者さんに情報を探しに来てもらうということだけではなくて必要な情報が患者さんのところに自動的に届くという仕組み作り、これも重要なことだと思っています。
医療機関以外との繋がり
次のテーマは、もうひとつ重要なのが医療機関以外とのつながりになります。これは途中でもお話ししましたけれど、私は患者支援を病院だけが全部担う必要はないと思っています。患者会もありますし、先ほどのピアサポートというものもあります。企業には製品やサービスに関する専門的な知識があったり、今回のウェルカムサポートさんは装具販売店で、日常生活に非常に近いところで蓄積された経験というものがあります。それぞれの得意なことが違いますから、その力をもっとつなげられないかなと考えています。例えばその症状や治療のことなら、医療者に聞くのが一番いいかもしれませんが、旅行のときや、外出するときに何をもっていったらいいだろうとかです。そういったことであったら患者会やピアサポートに聞いた方が良いです。そういった同じ経験をした患者さんの工夫が、非常に参考となる場合もあります。製品や装具についてのことは企業や販売店に聞いたほうが良いですし、企業や販売店から患者会や医療者につなげていけることもできるかもしれません。全部を医療者で解決するということはなかなか難しくて、そもそも医療者だけで解決する必要はないのじゃないかと思ってます。患者さん自身も全部ひとりで抱えて解決しなくてもいいですし、困りごとによって頼る相手が違ってもいいわけです。大切なのはそれをつなげてあげるということが大事なんじゃないかなと思っています。これが、私が目指したい姿になるんですけど、病院だけで患者さんを支えるだけでなく、みんなでつながって社会全体で支える。こういった視点が重要なんじゃないかなと思います。医療者は治療や医学的な判断をします。患者さんどうしは自分たちの経験を共有します。企業は製品やそれに関する情報を提供する。患者会は人と人をつなぐや情報を届け続けます。研究は患者さんの声を見える形にして次の支援につなげることができます。誰か一人が全部を抱えるのではなくてそれぞれが得意なものを用いる。そうすることで病院の中だけでは解決できなかった支援というものができるのではいかと思っております。目指しているのは、患者さんが孤立しない。これが大事な仕組みだと思います。
まとめ
最後のまとめのスライドは今日お伝えしたことを一枚にまとめたような感じになりますが、直腸癌手術後には排便やストーマのことを含めさまざまな日常の生活上の困りごとがあります。それを患者さんひとりで抱える必要はなくて、そして医療者だけで抱える必要もなくて、患者さんがいて医療者がいて、ピアサポート同じ経験をした仲間がいて企業があって情報があって、研究を活かしてこういった支援をすべて使ってバラバラに存在するのではなくて必要な時につながっていくということが大切だと思っています。手術が終わった後も患者さんの生活は続いていきますので、だからこそ医療はがんを治すだけではなくて、その先にある生活まで一緒に考えていけたらいいのではないかなと思います。困ったときにつながれる場所がある。そして仕組みを患者さん、医療者、企業そして様々な方々と一緒に作っていきたいと思っています。
最後にコロレクペディアの情報はこちらからご覧になれます。ホームページ、ユーチューブ、公式LINEです。一番は公式LINEです。術後のちょっとした役立つ情報、新しい動画が上がったよとかセミナーの案内も届きますので是非登録をおねがいしたいと思っています。困ったときにそういえばこういうのあったなとか思い出していただけるだけでも十分です。もし、皆さん自身の経験の中に、これは次の患者さんに伝えたいなと思うものがあればぜひ私たちに教えていただければそこへつなげることができると思っています。患者さんの経験が次の患者さんを支える力になります。それが伝えたいメッセージです。本日はご清聴いただきありがとうございました。


























































